同僚の死
「そういえば村田さん(仮名)亡くなったって聞いた?」
職場で雑談をしていた時に、私がふと村田さん(仮名)の話題を出した時に言われた言葉です。
通常であれば、社員もしくはその家族に不幸があった場合はメールで通知されますが、今回は娘さんの希望で伏せているそうです。
最近来てないな、と思っていました。少しおかしいとは思いながらも彼女のお母さんに若干認知が入ってきたときう話を聞いていたので、その関係でリモートワークをされているのかな、と思っていました。
来ていないのに机の上が急にきれいに片付いたな、と不思議にも思っていました。
彼女はまだ50歳前後、逝くには早すぎます。
教えてくれた人もと話しました。
「いい人ほど早く召されるんですね」
そう、彼女はとても良い人でした。
異動してきたときも、同僚もいない、仕事もないから当然他部署とのかかわりもない、この部署で孤独に陥らなかったのは彼女のおかげといっても過言ではありません。
当然ショックを受けました。
でも、こういうのって後でじわじわくるんだな、と帰りの電車で実感しました。
まだ、知り合って一か月ほどだったのに、思い出してしまうんですよね。
彼女との会話とか、明るい笑顔とか……。
そして思うんです。
「もう会えないんだな」
「もう、あの笑顔を見ることはできないんだな」
彼女の死に納得がいかなくて、ネットで「いい人ほどはやく」とか検索をしていたら、こんなことが書いてあるのがありました。
「今私たちが生きてる世界は苦しみに満ちていて、死んだらもっと素敵な世界が待っている。善行ポイントみたいなのがあって、そのポイントを規定数ためた人からそこに招待されるから、いい人ほど早く死ぬんだよ」
※サイト名とかは忘れてしまいました。
そして、死因は心不全と聞いたので詳しいことはわかっていないのか伏せられているのかもしれません。なんであれ彼女が苦しまずに逝ったことを願ってやみません。
そして若くしてお母さんを亡くしてしまった娘さんたちの悲しみが早く薄れること、彼女たちの明るい未来を祈っています。
彼女は本当にとても素敵な人だったので、娘さんたちに手を差し伸べてくれる人はたくさんいると思います。だから村田さん(仮名)、新しい世界で安心して新しい人生を楽しんでくださいね。
奈良美佐